3月、4月、春。
日本は年度の変わり目でもあり、環境が変わる人も多くて、普段よりも「自己紹介」をする機会が増える時期です。
毎週土曜朝のVoicyで、初めて聴いてくださる方のために、私も冒頭で自分の自己紹介をしています。
毎回聴いてくださっている方はお気づきかもしれませんが、この自己紹介、やりながら少しずつ変えていました。
これでいこう、と決めるのですが、言葉にしてみるとなんとなくしっくりこなかったりして、毎回見直しをしていました。
試行錯誤して、ようやく自分らしい表現が定まった感があります。
この「自己紹介」、誰に向かって何を伝えるかを考えるとき、自分に向き合うことになるのだなとあらためて、すごく実感しているところです。
新しい環境に挑戦するすべての方へ。
あなたらしい自己紹介をして、自然体で一歩を踏み出すヒントになれば幸いです。
Voicyミアビータ公式チャンネルで、毎週土曜日朝8時のパーソナリティを担当しています。
この記事は、2024年3月23日分を配信後、この内容を文章で読みたい方向けに加筆・編集したものです。
音声でお聞きになりたい方はこちらからどうぞ。
自己紹介を考えるときに大切な3つのポイント
そもそも、自己紹介の目的とは何でしょうか。私は
「初めて会う人に、自分はこういう人ですと伝えること」
だと考えています。
自分はこういう人です。いろいろな言葉、表現、内容が考えられますよね。
だから自分をどう表現するのかを考えることは、とても自分に向き合うことになるのです。
ふりかえると、これまで私はいろいろな場面で無数に自己紹介してきました。
子供の頃、父親の転勤があって引っ越しが多かったため、引っ越し先の学校で同級生に自己紹介をしました。
会社員として4社を経験。部署異動も何度もあり、その都度、一緒に働くメンバーに自己紹介をしてきました。
独立してからは、新しいお仕事の機会をいただいたり、新しいクライアント、新しいコミュニティ、様々な場所でずっと自己紹介し続けています。
ときには、時間がなくてあまり深く考えずに自己紹介してしまったり、
何を話そうか考えすぎて、結果本当に伝えたいこと以外のことを話していたり、
自己紹介したあと、もっとこうすればよかった、と後悔したりした経験がたくさんあります。
一方で、一言で自分のことをわかってもらえたり、職場での自己紹介なのに、仕事とは全く関係ないエピソードで、その人らしさを感じた。
そういう経験もたくさんあります。
「自己紹介」で検索すると、どう考えればよいかのHowの情報は溢れかえっています。
そこで今回は、「自分らしい自己紹介をするには」にこだわって考えてみました。
大切なのは3つのポイントだと私は考えています。
① 伝えたい相手が誰なのか
② その人たちに自分の何を伝えたいのか
③ そして最も大切な「なぜそのことを伝えたいのか」
①誰に、②何を伝えるか、までは誰でも考える
自己紹介する相手が、新しい職場の同僚となる人たちなのか。
引越し先の地域のコミュニティなのか。
相手が誰なのかによって、何を自己紹介で伝えるか、全然違うだろうなと言うことは想像できると思います。
初対面の人に、自分の何を知って欲しいと思うでしょうか。
職場の同僚となる人たちには、やはり仕事に関係することでしょうか。
前職のこと、どんな業界にいたか、これからこのチームでやりたいこと。
一般的にはこのようなことが思い浮かぶかもしれません。
地域のコミュニティの集まりで、ご近所の方には何を伝えたいでしょうか。
おそらくよく顔を合わせるであろうことから、家族構成や、ペットの有無。
どこから引越しをしてきたか。
このようなことをお話しするかもしれませんね。
知って欲しいことが本当にこれらのことならばいいのですが、「自分らしさ」を考えるときに立ち止まってみたいのは、「なぜこれらのことを伝えたいのか」という3つめのポイントなのです。
③ なぜこのことを伝えたいのか、という視点で自分の本音を問う
ここで私の例をひとつお話しします。
30代前半のことです。
部署異動があって、年上のメンバーも含めたあらたなチームでリーダーになりました。
最初のミーティングでもちろん自分の自己紹介をすることになります。
私より経験のあるメンバーもいる中でリーダーを務める。
このことが気になって、リーダーとして何を話そうかかなり悩みました。
当時の私は、「リーダーとして」という部分にこだわってしまっていたのです。
そのためまず、何か具体的な証拠を示してリーダーとして認めてもらう必要がある、と考えました。
そして自己紹介の場で、自分がこれまで仕事で経験してきたこと、積み重ねてきた実績を伝えました。
そういった実績をもとに、チームを率いていきたい。
そんな話をしたと思います。
自分に経験があることや専門性の高さ、こういったことはみんなに伝わったと思いますが、果たしてそれで良かったのでしょうか。
私が本当に伝えたいことは、自分の経験や専門性の高さだったのでしょうか。
会社としての重要なミッションのもと、かなり高い目標を課せられたチームでした。
きっと厳しい環境のなかで成果を出すことを求められることになるだろうから、まずはみんなと良い関係を築きたい。
信頼関係を築いて、辛いことも一緒に励まし合って乗り越えていけるようになりたい。
今思えば私の本音はここにあったのに、このような自己紹介ではその本音は伝わらなかったと思います。
リーダーとして認めてもらいたい、というところに自分の自己紹介の目的が止まってしまっていました。
なんかすごい人がきちゃったなあ、または、経験ばかりアピールして生意気だな。
こんなふうに意図しない形で伝わってしまっていたかもしれません。
案の定、この時のチーム作りには非常に苦労しました。
私が本音で望んでいた、信頼関係ができるまでにかなり遠回りをしてしまいました。
それは、最初の自己紹介で、私が本音を伝えなかったからです。
当時感じていた、プレッシャーや焦り、認めてもらわなければという気持ちの奥にある、本当に私が思っていたこと、願っていたことを言葉にしかなったからなんです。
この経験から、私は「自己紹介」で何を伝えるか、は今の自分に向き合うことになるのだと学びました。
本音のままに振る舞うと、その人らしさが自然とにじみでる
この春に自己紹介をする機会がある方は、ぜひこの3つのポイント
① 伝えたい相手が誰なのか
② その人たちに自分の何を伝えたいのか
③ そして最も大切な「なぜそのことを伝えたいのか」
特に③ を考えてみてください。
③ を問うことで、自分の本音にてらしあわせてみることが大切だと思います。
これを話そう、と決めた自己紹介が本音とちょっと違うな?と気づけたら、その本音が伝わる話をしたらいいと思います。
先ほどの例で、いま私が当時の自己紹介をやりなおせるなら、こんな話をするでしょうね。
私は当時、サーフィンがとても好きで、週に2-3回くらい、早起きして仕事前にも海に通っていました。
真夏は3時に起きて4時半から6時前くらいまで海に入り、その後帰宅してシャワーを浴び、仕事に行く。
一見すごくハードに聞こえるかもしれませんが、やりたいことができて幸せな毎日でした。
波乗りのどんなところが好きか。
海という自然から学んだこと。
その学びを仕事、人生のこんなところで活かせている。
自己紹介でこのような話をしたら、私の人柄や大切にしていること、ひいては人との関わり方が伝わるように思います。
そして、なにひとつ心を偽ることなく、本当に思っていることをありのまま話しているからこその、自然体で、自分らしい話し方ができるのです。
人は本音と違うことをしようとすると、その人らしさが損なわれていきます。
「本音が大切ですよ」といろいろな場でお伝えしていますが、自己紹介の場面でもやっぱり自分の本音が大切だとお伝えしたいです。
「自分らしさとは何か」いろいろな定義がありますが、私は
「本音のままに振る舞うと、その人らしさがにじみでる」と実感しています。
普段クールな感じで仕事をしている人、それもその人の一面でもあります。
でも、休憩時間に自分の子供の話をするとき、急にパパ、ママの顔が出てきたりすると、すごく魅力的に感じますよね。
子供を愛している、という本音のままに話しているから、その人らしさがにじみでるものなのです。
本音のまま、自分らしくいれば、それは周囲にも自然と伝わっていきます。
何か小細工をして、こう見せよう、などと考えなくても、あなたがあなたらしくいれば、ちゃんと伝わるものなのです。
今回の3つのポイントを活用いただいて、自分らしい自己紹介で、あらたな一歩踏み出す参考になれば嬉しいです。
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