私は週2回、早朝にジムにいって運動しています。
早朝なので、ほぼ毎回同じメンバー、筋トレガチ勢のみ。
空いていて快適なんです。
先日めずらしく、二人組でマシンエリア(機械で筋トレする場所)を使っている人たちがいました。
空いてるからお話している声が漏れ聞こえてきたのですが、どうやら最初は三人組で筋トレを始めたのだけど、一人が途中で挫折しまって、そんな話をされていました。
脱落してしまったお仲間のことを「あいつを反面教師にしようぜ」と話をしているのが聞こえて
「あら、それはちょっともったいないな」
と思ったのです。
反面教師とは
「誰かの悪いところをみて、自分はああはならないようにしようという意味」を表す表現ですよね。
「ああはなりたくない」という対象が明確にあるから、一見わかりやすい目標のように思いますが実はそうではありません。
これは一般的にも目標の達成に向かっていこうとするときに、わかっておくといいことです。
「反面教師」はどのように用法・用量を守って正しく使うといいのか、2つのポイントでお話します。
Voicyミアビータ公式チャンネルで、毎週土曜日朝8時のパーソナリティを担当しています。
この記事は、2024年2月24日分を配信後、この内容を文章で読みたい方向けに加筆・編集したものです。
音声でお聞きになりたい方はこちらからどうぞ。
脳は自分にとって重要な情報を取捨選択している
私たちは日々、非常に多くの情報に接しています。
でも全ての情報を脳に取り込んでいるわけではないんです。
脳は、いまの自分にとって重要な情報「だけ」をよりわけて、取り込むような仕組みになっています。
たとえば、「通勤用のバッグを買おう!」と決めたとします。
するとその日から電車の中で、なんとなく他の人が持っているバッグが気になりはじめます。
「あの人の持ってる、あのくらいの大きさのバッグがいいな」
「この人のバッグの色は素敵だけど、パソコン持ち歩くにはちょっと小さいな」
こんなふうに、意識せずとも仕事用のバッグの情報を取りにいくようになります。
これは、脳にとって重要な情報が「通勤用のバッグを買う」になっているからなのです。
もしも、あなたに「嫌だなあ」と思う人がいて、その人を反面教師に「あの人のようにはならないぞ」と決めるとどうなるでしょうか。
「嫌なあの人」という、実在するすごく具体的な意識の対象ができてしまうのです。
すると脳は嫌だなと思っている「あの人」を意識しはじめます。
本当はあの人のようには「なりたくない」のに、嫌なはずのあの人のことがやたら気になってしまうのです。
結果、なりたくないはずの、あの人の情報ばかりはいってきて、ますます嫌な気持ちになったり、意識しすぎて、情報が入りすぎて、最悪「あの人」に似てきてしまうかもしれませんね。
反面教師として「なりたくないあの人」を意識に設定すると、脳の仕組み上、そこに意識がいき続けてしまう。
これが一つ目のポイントです。
嫌だという気持ちの奥には「大切にしていること」や「願い」がある
「あの人のようにはなりたくない、嫌だ」という気持ちはどこからくるのでしょうか。
自分の中の何かと照らし合わせて、「嫌だ」と思っているはずですよね。
その何かというのは「自分が大切にしている価値観」「こうありたいという自分の願い」です。
大切にしているのに、ありたいと願っているのに、それが叶わないから反発する気持ちが生まれるのです。
たとえば、混んでるコンビニのレジで並んでいるのに、誰かが割り込んできたら「何この人、嫌だ!」と思いますよね。
「割り込みするような、あんな人はなりたくない」という反面教師の気持ちでその場を終わりにすると、どうなるでしょう
ひとつめのポイントでお伝えしたように、この嫌な人に意識が向き続けます。
すると、こんなことが起きます。
駅の切符売り場で割り込みする人。
混んでいる電車で、人を押しのけてわれさきに席を確保する人。
そういう人「嫌な人」が次々と目に入ってきてしまって、嫌な気持ちが続いてしまうのです。
ああはなりたくない、という反面教師の気持ちのままでいると、こんなことが起きてしまうんですね。
一方で、反面教師の気持ちで終わらせず、自分の大切にしている価値観や願いまで、思いを馳せるとどうなるでしょうか。
「こういうときこそ順番は守るものだ、ルールは大切だ」という価値観や
「たとえ混んでいても、ゆったりと待てる自分でいたい」という願いが自分にはあるなあ。
もしもこのようにもう一歩先まで考えられると、嫌な人ではなく、ありたい自分の姿に意識が向きます。
そして「混んでいてもゆったりと待てる自分でいるにはどうしたらいいか」というように、あなたの行動も願いを叶える方向に変わっていくんです。
「割り込んできた人も、何か事情があってのことかもしれないよね」と、嫌な人に対する捉え方も変わってきます。
冒頭でお話しした、ジムで出会ったお二人も同様です。
「途中で挫折した、あの人みたいにはなりたくないよね」で終わらず、 「自分たちはこうありたいね、だからこうしよう」になると、本来願っていることに向かって、さらに頑張れるんじゃないかなと思います。
ありたい姿を叶えるには
今回の2つのポイント
「脳の仕組み上、具体的に設定したものに意識がむき続けてしまう」
「嫌だという気持ちの奥には願いがある」
この2つを知っておくと、反面教師は、目標ではなく、本当の願いを考えるためのきっかけなのだとわかりますね。
用法、容量を守って正しく使いましょう、とお伝えしたい理由はここにあります。
嫌だという気持ちや、ああはなりたくないな、って、自分の価値観や願いに触れる反応なので、とても大きなエネルギーです。
だからこの「反発するエネルギー」だけで、ある程度のところまではいけてしまうものなのです。
それで進んでいる仕事もいっぱいあると思います。私も経験があります。
ただ、すごくがんばっているのに何か満たされない、やらなければいけないことなのにやる気がでない、というときは、「何を目指しているんだっけ」と目標を見直した方がいいサインかもしれませんね。
「自分はこうありたい」という願いに意識を向けることで、あなたのありたい姿はきっと叶っていきますよ。
反面教師はたくさんある(いる)ものの、どうしても引っ張られてしまう。
自分の願いが何なのか、いまひとつはっきりしない、という方はぜひご相談ください。
私はコーチングを受けることを検討されている方向けに、コーチングがどのような体験になるのか実際に体験いただける、お試しセッションをご用意しています。
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テーマを決めて持ってきていただくことで、この45分でご自身にどのような変化が起きるのか、実際に体験いただくことができます。
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