カナダ人パートナーとの出会いと国際結婚。
私にとって本当に、まったくの人生の想定外な出来事でした。
おかげさまで日々いろいろな新しい発見や驚きと共に楽しく過ごしています。
もちろん知らないことばかりのため、痛い失敗をしたり傷ついたりもしながら、異文化を学んでいるところです。
その大きな壁のひとつが、コミュニケーションです。
今回は、今もまだまだ感じることの多いコミュニケーションの壁から学んだ「コニュニケーションスタイルの違い」ということについてお話しします。
多様化の進む時代、日本人同士でも異文化ではなくても参考になる視点です。
Voicyミアビータ公式チャンネルで、毎週土曜日朝8時のパーソナリティを担当しています。
この記事は、2024年2月3日分を配信後、この内容を文章で読みたい方向けに加筆・編集したものです。
音声でお聞きになりたい方はこちらからどうぞ。
我が家でよく起きていること「言わなきゃわからない」vs.「言わなくてもわかる」
夫と知り合った当初、多様性などという言葉ではくくれないくらい、しょっちゅう泥沼のすれ違いが起きていました。
私は本当に英語が苦手でした。(いまも得意ではないですが・・)
すれ違いは私の英語力の問題だとずっと思って、もっとちゃんと勉強しておけばよかった、と後悔でいっぱいでした。
でも実は、このすれ違いの原因は言葉の壁だけではなかったんです。
たとえば、出会った当初、こんなことが日常的に起きていました。
あるとき、夫のカナダのお友達が日本に遊びにくることになりました。
夫は、お友達の奥さんが生魚を食べられないことや、子供がまだ小さいこと、などを私に教えてくれました。
私はそれを聞いて、「なるほど」と相槌をうち、
「生魚はだめで、子供が小さいか・・ということは、ご飯はどこで食べるのがいいかな?」
とひとりで考え始めてたんですよね。
しばらくすると夫がもう一度、生魚がだめ、子供がまだ4歳と2歳で・・と先ほどの情報を繰り返し言い始めたんです。
なので「それはさっき聞いたからわかってるよ。みんなで行くならあのレストランはどうかな」と私が考えていた結果を伝えました。
すると夫はムっとして怒り出したんですよね。
なぜ夫が怒ったのか、わかりますでしょうか。
私は当時、何が起きたのかまったくわからなくて、こういうことがすれ違いや喧嘩の原因になっていたのです。
(いや、いまでもありますね、ついうっかりとしてしまって)
夫は友達家族について大事な情報を私に伝えてくれていたのに、私はその情報を「しっかり受け取った」「理解した」という意思表示をしませんでした。
「なるほど」と曖昧な相槌をうっただけだったんですね。
だから夫は私が理解していないと思って、もう一度同じ話をしはじめたんです。
夫からすると「分かったのならわかったと言ってくれ」だったんですね。
私は私で、夫の話をきいて、「・・この話の流れは、遊びに行く場所を私に考えてほしいということなんだろうな」と勝手に行間を読んで、勝手にレストランを考え始めていたんですよね。
私からすると「言わなくてもわかるよね」でした。
ここに大きなギャップが生じていたんです。
ギャップの原因は、コミュニケーションスタイルの違い
日常でこんなすれ違いばかりが起きて、この人とはやっていけないかも・・と本当に悩みました。
そこで海外経験の長い友達に相談をして、「もしかしたらコミュニケーションスタイルの違いかもしれないよ」と教えてもらったんです。
コミュニケーションのスタイルには、ハイコンテクストとローコンテクストがあります。簡単にまとめました。
ハイコンテクストとは、「雰囲気、行間」のような、言葉になっていないものをよく使うコミュニケーションです。
よく空気を読む、雰囲気で察してよ、なんて言われますよね。
日本は、世界でもっともハイコンテクストなコミュニケーションスタイルの国と言われています。
ローコンテクストは、シンプルで分かりやすい言葉にして、はっきり伝えるコミュニケーションです。
「意思疎通をすること」が最重要なので、なにごとも声に出すことが大切です。
つまり、ハイコンテクストな日本人の私と、ローコンテクストなカナダ人の夫。
全く違うコミュニケーションスタイルだったのです。
夫は、「言ってくれなきゃわからない」ですし、私は「言わなくてもわかるでしょ」だったんです。
英語の問題に加えてこのようなギャップが生じていて、だから頻繁にすれ違いが起きていたのでした。
ここを「私たちそうなんだね」とお互いに理解しあったことで、ある程度すれ違いに気づけるようになりました。
このコミュニケーションスタイルの違いについては、「THE CULTURE MAP 異文化理解力」という本に詳しく書かれていますので、ご興味のある方はお手に取ってみてください。
多様なコミュニケーションスタイルの人がいる時代に、私たちにできること
社会環境が大きく変わり続け、価値観がどんどん多様化し、グローバル化も進んでいる現在の日本。
以前のように、みんなが同じ価値観や感覚で「ハイコンテクストな」コミュニケーションをするだけでは、意思疎通の難しいことも増えてきているのではないでしょうか。
例えば時代劇。
一番偉いお奉行様が「良きに計らえ」とだけ言って、部下の武士たちが「ははー!」みたいに低頭する場面がよくあります。あれはハイコンテクストコミュニケーションの最たるものですね。
でも今の時代、仕事ではこのようなやり方はまず通用しません。
ほかにも例えば、「ジェネレーションギャップ」。
年齢の離れた人に対して「あの人は何を考えているのかわからない」みたいな状況があったときに、一昔前は「ジェネレーションギャップだねー」などとざっくりした言葉で済ませることも多かったと思います。
実際私もよく言っていました。
このギャップの持つ意味は、生きる時代が違うというだけではありません。
時代の違いが社会構造や文化の違い、価値観の違いを生み出していて、
コミュニケーションスタイルにも違いがうまれはじめているということなのだと思います。
人生経験豊富な大人である我々がまず、このような変化が生まれているという前提を持つことで、
いろいろな環境で起きるコミュニケーションのギャップを柔らかく埋めていけるのではないでしょうか。
そしてこうした違いに対して柔軟な姿勢や物事の捉え方は、私たち大人のこれからの生き方にも役立ちます。
従来のやり方にこだわったり、相手に合わせようと無理をしたり、仕方ないと諦めたりすることなく、
変化の早いこの時代を、自分らしくしなやかに生きる力を育てます。
会社やチームだけではなく、親子や、地域のコミュニティなど、意思疎通が難しいと感じる場面は本当によくありますよね
その難しさを溶かしていく視点のひとつとして、ハイコンテクストコミュニケーションか、
ローコンテクストコミュニケーションか、という視点がヒントになれば幸いです。
自分のコミュニケーションスタイルについて知りたい。
頭ではわかっていてもついつい、自分のスタイルでやってしまう、という方はぜひご相談ください。
私はコーチングを受けることを検討されている方向けに、コーチングがどのような体験になるのか実際に体験いただける、お試しセッションをご用意しています。
この60分の体験セッションでは、約45分ほど私のコーチングを受ける時間があります。
テーマを決めて持ってきていただくことで、この45分でご自身にどのような変化が起きるのか、実際に体験いただくことができます。
この体験セッションの時間を使って、ご自身のコミュニケーションスタイルを見つめ直したいという方ももちろん大歓迎です。
対話するからこそ気づけるあらたな自分の一面、
一緒に探究してみましょう。
ご興味のある方はこちらからお気軽にご連絡ください。
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